Happy Brain❤sakura奮闘記

只今コーチングのお勉強真っ盛りな私。
そこで学んだことでためになりそうなお話を一つ。

臨床心理士である森俊夫さんの書いた
『“問題行動の意味”にこだわるより“解決志向”で行こう』（ほんの森出版）という
長いタイトルの本に、NHKの特集番組で放送されたという、
ドイツにおけるアトピー治療の一例が紹介されています。

アトピーを持つ子どもたちが合宿生活を行い、
様々な治療と平行してカウンセリングを受けるのですが、
そこでは「かゆみお化け」と名付けた巨大テルテル坊主を、
みんなでやっつけて遊んだりするのだそうです。

番組のナレーションでは、
「ストレスとアトピーの症状の間には関連があり、
子どもたちは『掻くからいけない』などといつも叱られることで
緊張や不安を感じ、『自分がいけないのだ』と感じるようになっている。

しかし、問題なのは『アトピー』であり、決して『子どもたち自身』ではない。
『かゆみお化け』は、アトピーから子どもたちを引き離して
ストレスを緩和すると同時に、アトピーに対して戦う姿勢を育て、
子どもたちに自信と明るさを取り戻させる」という内容の解説が流されました。

これは臨床心理におけるブリーフセラピー（短期療法）で用いられる、
“外在化”と呼ばれるアプローチ。

「『外在化』などというと、とても難しいことをしているようですが、
すでにお気づきのように、これは『イタイのイタイの、飛んでけーっ！』と
まったくおんなじ理屈です」と、森さんは書かれています（笑）。

ただし、ここには気をつけるべき“落とし穴”があるそうです。

いわく・・・

「ここで重要なことは、『外在化』によって、
子どもたちから症状が引き離されているだけでなく、
症状が、家族を含めた周囲の人からも引き離されている点なのです。
『掻いちゃ駄目！』などと言う親の態度がいけない、と言ってしまったのでは、
“問題”を子どもから親に移しかえただけのことです。
つまり『子どもがいけない』から『親がいけない』にかわっただけのことです。
そういうふうにしてしまったら、今度は親が多大なストレスを受けることになるでしょう。
そして親のストレスは、当然子どもにも跳ね返ってくるでしょう」


「『外在化』では、あくまで悪いのは『かゆみお化け』であって、
その『かゆみお化け』に対して、本人・家族・周囲の人が
一致協力して対抗するという図式になるのです。必要なのは協力者であって、
“問題の人物”でも“問題となる人間関係”でもないのです」


　　　　　＊　　　　　＊　　　　　＊

子どもが悪いのでも、親が悪いのでもない。
もちろん、子どものせいでも、親のせいでもない。
だからお母さんも自分を責めたりしないで。

子どもの気持ちを受け止めながら、
いっしょに「かゆみお化け」に対処していく・・・。

そんなふうに考えることができれば、
お互いのストレスもいくらか軽くなるのではないでしょうか。

こういうことはいろんなことに当てはめることができます。
自分のせいではないのに重い荷物を持つ自分自身を
呪ってみたりするなんてつまらないこと。
それはただの荷物、持って歩かねばならないけれど
いつかその荷物をおろしてやろう、そのための努力を惜しまないでやろうと
いう考え方を育てていくことは不運や不幸せにとらわれずに生きるということ。

荷物をしょいこんだ自分をかわいそうがったり、自分を嫌いになったりしないで
その荷物に支配されずに頑張る自分をむしろ誇りに思えるよう前向きに
生きていく毎日を過ごせたら抱えた荷物は自分の一部となって
もっと足取り軽く生きていけるはずです。







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